ピッ



『‥もしも‥し』



『屡那、俺、緒杜』

『ごめん‥ね、いきなり…帰って』

『いや…俺も悪かった。李架が変なこと言ってごめんな』

『‥うん…』


少しの沈黙…
今の私にはキツい‥


『李架に聞いた。屡那のこと』

あぁ…終わった‥
緒杜くんに嫌われる

まだ好きって言ってないのに‥
緒杜くんに…嫌われる‥

『俺、なんとも思ってねぇよ。屡那は屡那だから』

『え…』

驚いた。

私の過去を知ってなんとも思わない人がいるなんて、初めて‥

みんな引くのに‥

『俺は今の屡那が好きだ。だけど過去の屡那も好きだ』

『っ…緒杜くん…』

『どんなに屡那がほかの奴に嫌われても、俺がそれ以上に愛す』

『…っう…』

『屡那の全てを俺で埋めてやる』

『っ…緒杜‥くん』


緒杜くんは優しい‥
私は緒杜くんの言葉に救われた…

好き‥

私は他の人より…誰よりも緒杜くんが好き‥


『屡那、お前を愛してる』

『緒杜っ…』

『愛してる』

『私…緒杜が‥好きっ』

緒杜くんはクスっと笑った

『知ってるよ。屡那、ありがとう』

『緒杜‥』

『今から屡那の家に行っていい?』

『っ…ぅん‥』

緒杜くんは「待ってて」っと言って電話を切った。