あなたを愛したいくつかの理由

 建物に集合し、ベリルは今回の作戦遂行に労をねぎらう言葉をかけ解散となる。

「……」

 去っていく仲間たちのなか、彼女はまだ呆然としていた。

 ダグラスの言葉を思い出しただけじゃない。彼の腕に実感したからだ。

 彼が不死だという事実に──深々と突き刺さった傷の深さと、流れた血は少なくなかった。

 その傷が、たった数分の間に傷口すらも見あたらなくなっていた。

 視界が定まらないなか、彼のピックアップトラックに向かう。

「ソフィア」

「!」

 声に振り返るとダグラスが立っていた。

 彼はここで別れて別の要請に向かうらしい。