「どうした」

「! なんでもないです」

 ダグラスの言葉が脳裏から離れなくて、作戦中だというのに思考がまとまらなかった。

「ソフィア!」

「!? はっ、はいっ」

 耳元で声を張り上げられ、思わずピーン! と背筋を伸ばす。

「切り替えろ、でなければ作戦から外す」

「! す、すいませんっ」

 相手は待ってくれない。

 振り払うように首を大きく振ると、キリリと目をつり上げた。