あなたを愛したいくつかの理由

 ソフィアの前にベリルからヘッドセットが差し出される。

「使い方は後で説明する」

「はい」

 一通りの作戦を示し、決行10分前まで休憩となった。

 ベリルは彼女にヘッドセットの使い方を説明したあと、フェテルと2人で話し合っていた。

「……」

 それをじっと遠目で見つめていたその時──

「ベリルのことが好きなの?」

「!」

 ダグラスが声をかけてきた。

「……悪い?」

 なんとなく彼の険のある問いかけにこちらも険で返す。

「悪いと訊かれたら悪いね」

「! なんであなたにそんなコト……っ」

 キッと睨み付けるように目を向けたあと、

「は、は~ん」と鼻を鳴らした。