あなたを愛したいくつかの理由

「仲間も潜伏してる可能性があるってことか?」

 フェテルは眉をひそめる。

「市長にはそう言ったのだがね。聞き入れてはくれなかったよ」

「そうね……確かに私たちも戦闘が可能とはいえ、市街地戦までは慣れている訳じゃないわ」

 小さく唸って地図を見つめた。

「視線が通る範囲での距離を置く事は許可するが、それ以上が互いに離れる事は良しとはしない」

 念を押すように指示した。

「決行はいつ?」

「今から約2時間後」

「夕暮れを狙うのか」

 フェテルの言葉に頷き、軽く手を挙げる。

 すると、ダグラスがヘッドセットをテーブルに乗せた。

 仲間たちはそれを一つずつ手に取る。