あなたを愛したいくつかの理由

 まだ信じられないといった顔の彼女に、ダグラスは喉の奥から絞り出したような笑いをこぼす。

「この子、弟子にするの?」

「まだ決めていない」

「!」

 不安げな表情を浮かべた彼女にグラスは小さく笑って声を低くする。

「情けでは弟子に出来ないからね。その辺は覚悟しといた方がいいよ」

「! あなたに言われなくたって……」

 睨みを利かせた彼女からベリルに目を移す。

「俺の荷物はもう荷台に乗せてあるから」

 言って、外に親指を差すとベリルは無言で頷き、立ち上がった。

「! あなたも行くの?」

「うん、ベリルがリーダーって聞いてね。どうせなら作戦会議がてら一緒に行こうってなったの」