「そうですか」

 つぶやくように発してベリルに視線を移した彼女に、青年が薄笑いを浮かべた事を知るよしもない。

「ベリルの弟子になりたいの?」

「えっ、うん」

 突然、訊かれ慌てて振り返る。

「俺は6年前にベリルの弟子だったけど、手加減してくれないよ」

「! そうなんですか?」

 この人、ベリルさんの弟子だったんだ……笑顔を向ける青年を見つめた。そしてハタ……と気づく。

「……6年前?」

 ちょっと待って。いま確かベリルさんは25歳って……6年前だと19歳ってコトになるわよ。

 いや、その前にこの人の方が1つ年上よね? 同じくらいの人の弟子……? そりゃ無いコトもないだろうけど。

「5年間ベリルの弟子だったよ」

「へえ……」

 ……って、ちょっと待って!? 6年前に弟子で5年間? 逆算するとベリルさんは彼を弟子にした時は14歳になるんですけど!?