そんな心配を繰り返しつつ、少女は18歳となりハイスクール卒業を迎えた。

 これからは仕事をして、父さんにはなるべく仕事をやらないでもらうようにしなきゃ! 父さんが仕事をするのは私のためだけじゃない事は解っているけど、やっぱり怖い。

 そんな事を考えている間でも、父さんの携帯には要請がかかってくる。

「……」

 仕事に出かける父に心配そうな瞳を浮かべる。

「大丈夫。おまえに一つ、いい事を教えてやろう」

 目を細めて、彼女を安心させるように発した。

「何……?」

「俺たち傭兵の中にな、素晴らしい奴がいるんだ」

「! へえ……」

「ベリルって言うんだが、こいつの戦闘センスはずば抜けてる。しかも、イイ男だ」

「! 何それ」

 ソフィアは苦笑いで呆れた声を上げる。そんな彼女の頭を撫でて、男はいつものように出かけた。