「あの……」

「なんだ」

 ぶっきらぼうだが柔らかな物腰で聞き返す彼に訊ねた。

「何か特別な訓練とか、しなくていいんですか?」

 あれから、さしたるトレーニングも無いので怪訝に感じていた。

「今はまだ様子見の期間だ。その後にどうするかを決める」

「ああ……なるほど」

「遂行後に結果を報告する」

 言いながら立ち上がり、ダイニングキッチンに足を向けた。

 夕飯の準備をするのだろうと思ってテレビのリモコンを持ちチャンネルを変えていく。

「ハッ!?」

 しばらくテレビを見ていたが、ハッと気がついて慌ててキッチンに駆けた。

 あたし何やってんのよ! 夕飯の準備、手伝わなきゃじゃない!

「……」

 もう準備万端じゃないの……相変わらず無駄のない動きをしてくれますねベリルさん。