気を取り直して自分の部屋で色々と考える。

「とりあえず、次の仕事には連れてってくれるみたいね」

 それは安心した。

「男の名前は……カイダム・レアロ。麻薬組織『ヘルドマンティス』のボス」

 この男がコロンビアのブカラマンガに潜伏している。

 正しくはボス“だった”男だ。

 組織はすでにコロンビア警察によって壊滅しているが、彼は捕まる事なく数人の仲間と共に逃げ回っているという。

 その捕獲を、ブカラマンガの市長が彼に依頼してきた。

 コロンビアは「地域主導の国」と言われるだけに、各地域ごとの対立が激しいとか……

 そう考えると、色んな「大人の事情」で彼に依頼が回ってきたんだろうな。とソフィアは考えた。

「! そういえば、コロンビアってエメラルドの産地よね」

 とにかく地形と街並みと道路と、この男の顔はしっかり覚えろって言われたけど……

 2日後の出発まで何を準備すればいいのかしら? と彼女は首をかしげた。