昼食はミックスサンドウィッチ。

「……」

 凄く美味しいけど……彼女はベリルの食事にふと疑問を抱いた。

 何故か彼女が食べる量よりも少ない。

 男の人で鍛えているから代謝も高いはずなのだが実際、ベリルの体は筋肉質だ。

 裸を見た訳じゃないが先日の対戦で服越しでも充分に解った。

「……」

 と、あの時の彼をふと思い起こす。

 まるで猫科の猛獣のようなしなやかな動き──対戦なんかしてなければ、いつまでも見ていたかった。

 きっと、ライオンや豹が目の前にいたらあんな感覚なのかな……

「ああ、ここであたしは死ぬんだ」

 そんな絶望感が心を支配する。

 決して飼い慣らされる事の無い美しい獣──そんな獣に殺されるならいいかもしれない。

 そんな感情も自然と脳裏をかすめたのだった。