あなたを愛したいくつかの理由

 その日はそれで終おり、彼女は部屋を1つあてがわれた。

 2階が寝室で、その一番奥にある部屋が彼女の部屋になる。

 階段の近くの部屋が彼の寝室。他に2つ部屋があって、仕事(傭兵)関係の服を置いている部屋と客間がある。

 ベリルさんの寝室には2つベッドがあった。

 隣で寝たいな……なんていう願望が心に見え隠れする。

 出来れば同じベッドに……とかいう高望みはいたしませんとも。

「……」

 などと虚しい妄想を浮かべて、スーパーマーケットで買ったパジャマに袖を通しベッドに潜り込む。

 明日は一体、何をするんだろう? そんな事を考えながら眠りに就いた。

 見た夢は最高にへんてこりんな夢だった……

 魔法のじゅうたんならぬ魔法のベッドに、あたしとベリルさんが乗って空を飛んでいる。

 それをペガサスにまたがった父さんが追いかけていた。