あなたを愛したいくつかの理由

 教える相手がどれくらいの力を持っているのか解らないと教えようがないものね。

 これは当然のことなんだ……と言い聞かせた。

 彼には、相手が男だろうと女だろうと関係ないのだと実感して、本当に

『弟子』として自分を見ている事に少しの胸の痛みを覚える。

「私の事はどれくらい聞いている」

「え?」

 思い出そうとするように視線を少し上に向けた。

「素晴らしい傭兵だって。戦闘センスがずば抜けてて、イイ男だって」

「!」

 それを聞き少し笑って眉をひそめた。

「それで終わりか」

「うん」

「ふむ……」

 思案するように目を伏せた。