次の日──

「それじゃあ行ってくるよ。ちゃんと留守番してるんだぞ」

「うん」

 父さんは明るく仕事に出かけた。無事に帰ってくる事をあたしは必死に祈った。

 母さんは父さんの仕事に誇りを持っていた。

 兵士でなければ人を救えない場所があるから。

 解ってる。けど……やっぱり怖い。あたしは、父さんがいなくなったら1人になってしまう。

「……独りは嫌だよ」

 ソフィアは玄関のドアにぽつりとつぶやいた。