「ああ、買い物に行かねばな」

 思い出したように発した。

「え?」

「腹が減ったろう」

 近くにマーケットがあるらしくて、2人は買い出しに出かけた。

 歩いて10分くらいの処に、ブラウンの煉瓦造りの建物が大きな駐車場を眼下にそびえている。

 その駐車場に負けないくらい大きなスーパーマーケットが建っていた。

 自動ドアをくぐり、彼はカートを手にする。

 どんな姿も様になるなぁ……と、手際よく食材をカートに入れていくその姿を彼女はじっと眺めた。

「食べたいものはあるか」

「えっ!? い、いいえ特には……」

 そこでハタと気がつく。

 そういえばカートに入れてるのって全部、食材よね。

 というコトは……自分で作るってこと?