2週間が経ち──

「……」

 ソフィアの家のリビングでベリルは無言で立っていた。

 彼女の決意が、訊かなくてもその家の様子から見て取れる。

「はぁ~」

 深い溜息を吐き出し、スーツケースを持っている彼女に向き直った。

「特別扱いはしない」

「解ってます」

 決心の揺るがない彼女を一瞥してスーツケースを持ち玄関に向かう。

 それに軽く礼を言い彼のあとに続いた。

「しばらくお別れね」

 玄関のドアに鍵をかけ、ゆっくりと見上げた。

 目に焼き付けるようにしばらく眺めて体を反転させる。

「!」

 その目にオレンジレッドのピックアップトラックが飛び込んできた。