あなたを愛したいくつかの理由

「!」

 彼が立ち上がると途端に不安に襲われ、孤独感が心を満たしていった。

 そして、もう彼とは会えない気がして胸が締め付けられる。

 玄関に向かうその背中に手を伸ばしたい衝動にかられた。

「私に出来る事があればいつでも連絡してくるといい」

 そう言ってドアに手をかける。

「待って!」

「ん?」

 その声に振り向いて、うつむいている彼女の次の言葉を待つ。

「希望の仕事……あります」

「! なんだね?」

「傭兵に……」

「何?」

「あなたの弟子にしてください!」

 彼女が意を決し顔を上げて応えると彼は目を丸くした。