あなたを愛したいくつかの理由

「私のクイーンを動かした者への賞品だ」

 太陽のエネルギーを宿しているとされ、生きる希望と幸福を与えてくれる。

 そして、才能を引き出す力があると云われる石だ。

 そして彼はクイーンの位置から、テーブルの上に移動させチェス盤を仕舞い始める。

「私からお前に」

「! あたしに?」

「奴の代わりに受け取ってもらいたい」

「でも……父さんはクイーンを動かせなかったんでしょ?」

「続けていればいつかは動かしただろう。あと一歩だった」

「それホント?」

 苦笑いで発した彼女に少し笑って肩をすくませる。

 その動作でウソなんだなって解った。

 きっと父さんは彼には歯が立たなかったんだ。

「ありがとう」

 サンストーンのクイーンを静かに持ち上げた。