あなたを愛したいくつかの理由

「私がクイーン側を使っていた」

「!」

 クイーンを動かす事もないってコト? 父さんは、そんな相手とチェスをしていたの?

「奴は私がいつかクイーンを動かす事になった時どうするのかを知りたかったようだ」

「もし動かすコトになったら……どうしていましたか?」

「……」

 彼は少し黙ったあと、パンツのバックポケットから何かを取り出してクイーンの位置に立てた。

「!」

 それはオレンジ色の石で出来たクイーン──サンストーンと呼ばれる石だ。

 インクルージョン(鉱物などに入っている液体や小さな結晶などの総称)の効果でキラキラと乱反射している。

 ムーンストーンと同じフェルドスパーという鉱物の仲間であるため、その色とムーンストーンと対を成す意味でサンストーンと名付けられた。