「うん。ベリルに狭い場所は似合わない」

 互いに彼を想い、諦めたからこそ胸を張ってそう言える。

 私もレオンも彼の優しさに触れていたかったのかもしれない、甘えていたかったのかもしれない。

 その厳しさを学びたかったのかもしれない……でも、私には私の人生があり乗り越えなければならない壁がある。

「彼にはこの地球だって狭い気がするんだよ」

「あ、それなんとなく解る」

 2人は笑いあい、つくづく不思議な縁だと見つめ合った。

「母は、やはり身分にこだわる人だから難しいだろうけど……」

「!」

 レオンは真剣な面持ちでぼそりとつぶやく。

「リリア皇妃さまって……」

「うん、祖父皇の娘」

「……それって」

「父上とは半分、血がつながってることになるね」

 まあ、それが許されるのが皇族だから。とレオンは苦笑いで応えた。