彼に何度か招待状を送っているそうなのだが一度も返信が来ないのだとか。

「クスッ……彼らしいです」

「ベリル殿とはどういった?」

「あたしの師匠のような存在です」

「! ほう……では君も傭兵なのかね?」

「いえ、あたしは……」

 言葉を切って半笑いで動きを止める。

「……」

 ヤバイわ、義賊なんて言えない。どうしよう……笑みを浮かべて冷や汗を垂らす。

「? いかがした」

「あ、ああ! いえっなんでもっ」

 焦りから声が裏返る。

「人助けに貢献してるんだよ」

 レオンが横から助け船を出した。

「む、そうか」

 ムカネルはレオンの目とソフィアの表情に何かを悟ったのかそれ以上は訊かなかった。

「ゆっくりしていかれよ」

「ありがとうございます」

 柔らかに発し、ムカネルは2人から離れる。