「父上、彼女がソフィアです」

「! ごっ、ご機嫌麗しく。今日は会食に招待していただきありがとうございます!」

 たどたどしくも必死で言葉を紡ぐ彼女に、ムカネル皇帝は優しい眼差しを向けた。

「そんなに気を張らなくてよい」

「! あ、はい……」

「あなたがソフィアさんね」

 上品なラベンダー色のドレスに身を包んだ女性、リリア皇妃がソフィアの前に立つ。

「は、はい! リリア皇妃、ご機嫌麗しく……」

 流れるような栗毛をアップしているリリア皇妃は、ムカネル皇帝と違って彼女をあまり快くは思っていないらしい。

 挨拶もそこそこにテーブルに向かった。

「……」

 ま、解ってたコトだけどね。小さく溜息を漏らしレオン皇子に促されてテーブルに足を向ける。