しかしレオナ皇女の服装には目を丸くした。いつものように派手なワインレッドにダイヤのネックレス。背中が広く開いていて一体、誰にアピールしているのか解らない。

 何せ、この部屋にいる男性はレオン皇子と侍従の数人くらいなのだ。

 レオナ皇女にとってはどれも範囲外だと思うのだが……そういうのとは関係無いのかな? と首をかしげた。

「!」

 扉が静かに開かれる──入ってきたのは、威厳のある老齢な男性と貴賓漂う女性。

「……わあ」

 テレビで見た姿に呆然と立ちつくす。

 50歳を過ぎたムカネル皇帝は落ち着き払った態度でまずレオン皇子とレオナ皇女に挨拶を交わした。

 暗い金色と黒の混じり合った髪は白髪が目立ち、あごを飾るヒゲも白い。

 しかしその姿は威厳を持ちがっしりとした体格は上品なスーツに身を包んでいる。

 リリア皇妃がその後に続く。

 レオン皇子は2人をソフィアの前に丁寧に促し、少しずつ近づく皇帝と皇妃に彼女の胸の動悸は治まらない。