それから、レオン皇子は週に1度は家に訪れるようになった。

 遊びでは無い事を示すように、いつも質素な贈り物を手渡す。

 高い贈り物は持ってこないけれど、ソフィアはとても嬉しかった。

 数ヶ月も過ぎると、会話は皇室や家族の事になってきてなんとなくレオン皇子の感情が読み取れてくる。

 それと同時に、彼の恐怖心も見て取れた。

 抱きしめたりキスはするけれどその先に踏み込もうとしない。

 その先を知らないワケじゃないたろうに……と心の中で吹き出してしまう。

 そんな彼の誠実さがよく解って、彼となら何でも乗り越えていけるような気がした。

 気がしたんだけど──

「ええっ!? 皇帝と会食ぅ!?」

「俺の両親とだよ」

「両親て皇帝と皇妃さまじゃないのよ!」

「君を紹介しないと」

 唐突に持ちかけられた話にソフィアは目を丸くした。