あなたを愛したいくつかの理由

「本当は、俺にこの国を治められるのか不安なんだ」

 数秒の沈黙のあと、青年は重い口を開いた。

「!」

 愁いを帯びた表情が彼女の胸をドキンと高鳴らせる。

「俺は父上のように国を治められるのか……祖父皇はあまり良い皇帝ではなかったらしいけど」

「……レオン」

 誰にも言えない不安だったに違いない。彼にのし掛かっている重圧は計り知れないけれど、苦しかったんだろうな。

 初めて言えた言葉に、レオン皇子はやっと解放されたと深い溜息を吐き出していた。