あなたを愛したいくつかの理由

 そんな風に日常は過ぎていく──彼女はリリパットとしての仕事をこなしていき、レオン皇子とのメールも1週間も経つと日課になりつつあった。

 とある平日、昼食の準備をしていた彼女の耳に玄関の呼び鈴の音が響く。

「!? レオン皇子!?」

 ドアを開くと見知った顔の青年がいて、思わず声がうわずった。

「どうしてここに!?」

 彼を家の中に促し、驚いた表情のまま問いかける。

「昨日メールで、今日は休みだと言っていたから」

 苦笑いを浮かべ、いつもの変装をしたレオンが彼女を見下ろす。

 ひとまずリビングに案内し、ソファに促してキッチンに向かった。

「もう、びっくりしたじゃない」

 ティカップをトレイに乗せ戻ってくる。

「ごめんごめん」

 前に置かれた紅茶に角砂糖を2つほど入れながら、悪びれる事もなく発した。