あなたを愛したいくつかの理由

「へっよく面(ツラ)を出せたもんだ」

「まったくだな」

 沢山の扉の前に置かれている大きなテーブルに近づいて白い花を一輪乗せた彼の背中にあの2人が再び鋭い言葉を浴びせる。

「……っ」

 あの人たち、まだそんなコト!

「! ソフィア……」

 怒った顔で2人に近づく彼女をベリルは制止するように名を呼んだが、このままでは彼女の気が収まらなかった。

「!」

 怒った顔をして見上げるソフィアに、老齢の男性2人は少し驚く。

「そんなコト言わないで。ベリルさんは父さんが凄い人だって言ってた人なんです。そんな風に言ったら……ベリルさんを褒めた父さんまでバカにされてるみたいで、嫌です」

「!?」

 2人の男性はその言葉にハッとした。そして、すまなそうに頭をかいて謝罪する。

「すまなかったよ」

「そうだな。カークは立派に仕事を成し遂げたんだ」

「ありがとう」

 解ってくれた2人に潤んだ瞳でニコリと微笑む。