「……。! あ、ベリル?」

<どうした>

「用事は無いんだけど、今いいかな? って」

<問題無い>

「あのね……」

 今までの出来事を一通り話し続ける声に彼は黙って聞き入る。

 いつもの優しい声、優しい対応……変わらない彼が嬉しい。

 あたしは本当に、彼を父のように慕っていたんだと改めて気がつく。

 もちろん、恋愛感情がまったく無かった訳じゃないコトも解ってる。でも……恋人でいてくれるより、父のように傍にいてくれる人であってほしい。

 そう思えた。

「それじゃあ、おやすみなさい」

<おやすみ>

 携帯をナイトテーブルに乗せ電灯を切って眠りに就いた。