「皇子の呼び出しを拒否出来る程なの?」
「違うよ……」

 レオン皇子の態度に、お姉さんの事が苦手なのだとソフィアは感じた。

「正室に迎えるって話はどうしたのよ」
「彼は彼の仕事があるんだ。諦めたよ」

「だったら私の恋人にしてもいいわよね」

「彼は自由が一番なんだ。束縛してあげないで欲しい」

「──っ」

 強い眼差しに、レオナ皇女は少し身を引く。

「……まあいいわ。彼が来たら教えてちょうだい」

 ぶっきらぼうに言い放ち、部屋から出て行った。

「はあぁ~」

 レオンはどっと疲れて肩を落とす。