あなたを愛したいくつかの理由

「相変わらず頑張ってるみたいだね」

<大事は無かったか>

「うん、彼女が守ってくれたから」

 一瞥して応えた。

「彼女をお茶に誘ったけど、構わなかった?」

<構わん>

「ありがと」

 言って、携帯を返した。

「もう……」

 少し怒って携帯に耳をあてる。

<あとの報告はメールで良い>

「わかった」

 通話を切り、レオン皇子と共に城に向かった。

 紳士的に接するレオンに、また写真を思い起こす。

「……ホントに別人」

「まだ言うのそれ……」

 何度目かの言葉で、2人は城に着いた。

 白い城壁に囲まれた美しい城……正門ではなく、裏口に招かれる。