あなたを愛したいくつかの理由

 そんな日々の間にも幾人かが彼女の様子を見に訪れる。皆それぞれに彼女の元気な姿に心を痛めているのだろう。

 あたしは大丈夫なのに、みんな心配し過ぎなんだよ……小さく笑う。

「あ、連絡しなくちゃ」

 父親の携帯から見つけていたベリルの番号に自分の携帯からかけた。

<──はい>

「あ、ベリルさん?」

<! ソフィアか>

 少し驚いた声が返ってきた。そうか、あたしの番号は登録されてないもんね。

「あの、納骨の日なんですけど……」

 日時を報告して電話を切った。

 ベリルさんは他の人のように慰めの言葉は言わなかった。

 自分が父さんを死なせてしまった重みからだろうか? ううん、そんな安っぽい感情なんかじゃないよね。

 傭兵は仲間の死を沢山見てきているんだもの。それに、ベリルさんのせいじゃないコトはよく解ってる。

 言い方は悪いかもしれないけれど……父さんの死は

『必然的な死』だったのかもしれない。

 そう思うコトは、あたしの胸を締め付けるけど……頭の中ではそれが自然なんだと思えた。