「ホントに……? でも同性愛は重罪で……って皇族はOKなんだったわね」

 先に法律の方が気になった。いや、もうホントにそれくらいしか反応出来なかったわよ。

「うん。あの時ほど、皇族に生まれて良かったと思ったことはなかったね」

 この国では同性愛は皇族のみが許される特権であり国民は重罪となる。

「……」

 しれっと言ってくれちゃってるけど……まあ確かに、ベリルが相手ならプロポーズしたって不思議じゃないとは思える。

 そこがまた不思議なんだけどさ。

「もしかして、あなたが変わったのはベリルのせいかしら」

 自然にその思考が過ぎり、ぼそりと発した。