そんな彼女を見て、青年は少し愁いを帯びた瞳で微笑む。

「彼を好きになったんだね」

「! 解っちゃう?」

 周りから見ればやっぱりバレバレなのかな?

「彼に憧れて少しでも彼の近くにいたくて門を叩いたけど、ダメだったわ」

 ペロリと舌を出す。

「辛かっただろうね……」

 感情のこもった声に、少し眉をひそめた。

「なんか……随分とリアルな言葉ね」

「聞いてないんだ」

 怪訝な表情で発した彼女に苦笑いを浮かべたあと、耳を疑うような言葉を発する。

「俺はベリルに求婚したんだよ」

「!?」

 プロポーズ!? マジで!?