あなたを愛したいくつかの理由

「俺の知ってる人に似てるから」

 それに、やはり彼の事を覚えているんだと聞き返した。

「ベリルのコト?」

「!?」

 驚く皇子にクスッと笑う。

「君は一体……」

「あたし、彼の弟子の1人よ」

 その言葉に青年は納得した。

「あたしはリリパットだけどね」

「リリパット?」

「義賊のコトよ。彼に憧れて傭兵になろうと思ったけど、リリパットの方が向いてるって言われて転向したの」

 ちゃんと弟子として認めてもらった訳じゃないけど、リリパットとしての基本的な技術は彼から学んだんだから間違っちゃいないわよね。

 心の中で勝手にそう納得付けた。