ティカップを持ってリビングのソファに腰掛け、ミニパソコンを開く。

「!」

 1件のメールが来ている事を確認してクリックした。

「! ベリルからだ」

 読んでみると、それはレオン皇子に関する詳しい情報だった。

「お忍びは……ほぼ毎日? 時間は……お昼くらいなのね」

 つぶやいてリビングの曇りガラスに目を向ける。

「……」

 城下町である首都カーサレティアは広い。この街を1人で探し回るのかと思うと頭が痛くなった。

「でも、レオン皇子だってお忍びなんだから1人よね。だったらそんな遠くまでは行かないハズ」

 ソフィアはショルダーバッグにミニパソコンを詰め込んで外に飛び出した。

 まず皇族の住む城に向かい、そこからレオン皇子が行きそうな場所を回る。

 写真を見る限り、お忍びなんかするような人物とは思えないが……とりあえず街中を歩いた。

「!」

 パンツのポケットに仕舞われている携帯が震える。