あなたを愛したいくつかの理由

「!」

「おはよう」

 階段を下りてキッチンに向かうと、ダイニングテーブルに華やかな料理が並べられていた。

「……?」

 不思議がっている彼女にキョトンとする。

「自分の生まれた日を忘れたか」

「あ! 誕生日だ!」

「ケーキは食事のあとだ」

「スゴイすごい! ありがとう!」

 ローストビーフにサーモンのテリーヌ、ポトフにサラダ……量は多くないけど色んな料理がテーブルの上を飾っていた。

「美味しそう!」

 そうか、それで昨日からあんなに下準備してたんだ。

 部屋も飾ってないし盛大じゃないけれど、あたしは凄く嬉しかった。