あなたを愛したいくつかの理由

 次の日──

「うにゃ~……」

 寝疲れて目を覚ます。

 サイドテーブルに置いてある置き時計の針は、11時30分を指していた。

「もう無理……眠れない」

 こんなに長く寝たのは久しぶりかもしれない。

「寝過ぎて体がダルい……」

 ベッドからのそりと起き出し、服を着替える。

 依頼の無い時でも長く寝る事はほぼ無いので、寝過ぎて逆に体が辛い。

 これならいつも通りに起きて昼まで部屋で何かしていれば良かったかも。と思いつつ、つい彼に甘えてしまっているのだと溜息を短く切った。