と、色々と思考を巡らせていた階下ではベリルが携帯で情報を伝えている最中だった。

<暗殺計画?>

「そうだ」

<それはいつだ?>

 皇族を警護する責任者らしき男が、ぶっきらぼうに対応する。

「まだそこまでの情報は手に入っていない」

 それを聞いた電話の男は、しばらく沈黙して発した。

<情報、感謝する>

 それだけ言って通話は切られた。

「……」

 解っていた事に小さく溜息を漏らす。

 ハッキリした情報が手に入った頃には、それを伝える事は出来ないだろう。

 反皇族派も迅速に決断し、動くハズだ。これ以上の情報提供をしている暇はない。

「やはり我々が動く他は無い……か」

 ベリルは苦い表情を浮かべた。