その夜──

「……?」

 ソフィアはさらに首をかしげる。

 やはり朝に下ごしらえしていた食材は並んでいなかった。

 明日の下ごしらえなのかな? 料理によっては1日かかるものもあるし。などと考えながら、ワンプレートに置かれているサフランライスとデミグラスハンバーグにポテトサラダを見つめた。

 コーンポタージュを二人分手にしているベリルがテーブルにつき、夕飯が始まる。

 静かな夕食、ベリルの動きに見入る……とても静かなのに、それが嫌じゃない。

 落ち着いて食べ物を口に運ぶ彼の姿が上品で、あたしはこの時間が割と好き。

「ソフィア」

「! なに?」

「明日の朝食は無いので昼近くまで寝ていて構わん」

「あ、うん」

 明日の朝ご飯は無いんだ。なんでだろ?