「大丈夫よ! もうすぐルーシーが立会人になるのよ」

 この世界では一人前になるとき、立会人のもとで形式的な儀式が行われる。

 といっても、堅苦しいものでもなければ準備が必要なものでもない。「一人前になる」という心構えのために行う程度のものだ。

「!」

 立ち上がった彼に、壁に掛けられた時計に視線を向けると昼近かった。

 ああ……昼食の準備か。思って、手伝うため自分も立ち上がる。

「あれ?」

 変ね、さっき準備してたのと違う……手慣れた手つきで出来上がっていく料理に怪訝な表情を浮かべた。

 じゃあ晩ご飯かな? 出来ていく料理をダイニングテーブルに並べた。

 お昼はスープスパゲティ。

 ホワイトソースが、あさりの旨味を吸って溜息が出るほど美味しかった。