あなたを愛したいくつかの理由


「彼は死なないけれど痛みは私たちと同じ、何も変わらないわ。だから──」

 だから、カークは彼を押しのけて自分が駆け出した。

「! 父が……!?」

「彼は、死ぬことの無い自分を盾にすることがあるの……傭兵たちは少なからず色んな傷を負ってきた、その痛みが分からない訳じゃない」

 カークは、もう彼の苦しむ姿は見たくなかったのでしょうね。

「人間、1人の力なんてたかが知れてる。私たちにはベリルの力が必要なの、彼がいてくれるからこそ自分の命を賭けることが出来る」

「でも……それならどうしてベリルはそう言ってくれなかったの……?」

「カークの意図を察することが出来ずに、彼を死なせてしまった自分に責任を感じているのよ」

「……」

 どうしてそこまで優しいの……? うつむいて涙を流した。