紅茶はブルーベリーだった。

 甘酸っぱい感覚が口の中に広がり、ケーキの甘さを引き立ててくれる。

「おいし……」

 ソフィアはホゥ……と溜息を吐き出し、少し宙を見つめた。

「ベリル……あの」

「ん?」

 ティカップを上品に傾けていた彼が目を向ける。

「フォシエントについて、何か聞いてない?」

「暗殺計画の事か」

「!?」

 無表情で口を開いたベリルを凝視した。

「以前にも出くわしたが、反皇族派は地下に潜っているため根絶は難しい」

「えっ? 出くわしたって?」

「ちょっと出向いた事があるのだよ」

 以前にフォシエント皇国を訪れて反皇族派が雇った殺し屋と闘った事を彼女に語った。