「俺もそこまでしか想像出来ないけど、仲間だからって全部教えてくれるほどこの世界は甘くないからね」

「あなたが訊けば、ベリルは教えてくれるんでしょ……?」

「仕事が終ったあとなら君にだって教えてくれるよ」

 現在進行中の作戦をペラペラと喋るバカはいないよ。淡々と言い放った。

「とにかく、危険な仕事を新人に任せたルーシーはベリルからおしかりを受けるだろうね」

「! そんなっ! ルーシーはあたしのために……っ」

「簡単な仕事だとたかをくくった彼女自身にも必要なことなんだよ」

「!」

「ほら、そんなこと言ってる間に車が追尾してる」

「え?」

 バックミラーを覗くと後ろに黒い乗用車が映っていた。

「しっかり掴まっててね」

「! きゃー!?」

 車は速度を上げ、カーチェイスが始まる──