「……」
唖然とそれを見送り、スタスタと歩いていく彼のあとを慌てて追いかける。
「いっ、今のって?」
「敵だ。気配の読みはまだまだと言ったろう」
11階508号室にカードキーを細い溝に滑らせドアを開く。
ほぼ一般的な間取りだ。彼女を革張りのブラウンのソファに促して小型の冷蔵庫からジュースを取り出し、グラスに注いで手渡す。
「! ありがと……」
ひと口、味わい小さく溜息を吐く。
「一体、どういうこと?」
「中東で作戦遂行中だ。私はチップを受け取る役目でここに来た」
「ベリルが要請されたの?」
「私は受け取る者として依頼された」
「……」
「……」
2人の間に沈黙が過ぎる。
「それ以上は教えてくれないってこと?」
「当然だ」
お前が受けた仕事はチップの運搬のみ。と、ぴしゃりと告げられる。
「ケチ」
「そういう問題ではない」
唖然とそれを見送り、スタスタと歩いていく彼のあとを慌てて追いかける。
「いっ、今のって?」
「敵だ。気配の読みはまだまだと言ったろう」
11階508号室にカードキーを細い溝に滑らせドアを開く。
ほぼ一般的な間取りだ。彼女を革張りのブラウンのソファに促して小型の冷蔵庫からジュースを取り出し、グラスに注いで手渡す。
「! ありがと……」
ひと口、味わい小さく溜息を吐く。
「一体、どういうこと?」
「中東で作戦遂行中だ。私はチップを受け取る役目でここに来た」
「ベリルが要請されたの?」
「私は受け取る者として依頼された」
「……」
「……」
2人の間に沈黙が過ぎる。
「それ以上は教えてくれないってこと?」
「当然だ」
お前が受けた仕事はチップの運搬のみ。と、ぴしゃりと告げられる。
「ケチ」
「そういう問題ではない」



