あなたを愛したいくつかの理由

「えっ? えっ!?」

 状況が飲み込めず、前後で倒れ込んでいる男2人を交互に見やる。初めに聞こえた叫び声の男は、右腕にナイフが刺さっていた。

「!」

「あ!」

 何かに気づいて足を速めた彼の後ろを追いかける。

「まったく……とんでもない事をしてくれる」

 少しの怒りが見て取れた。ルーシーのはからいが、逆に彼を怒らせてしまったようだ。

「な、なんでそんなに怒ってるの? ただこれを運んできただけだよ」

 首に下げているチョーカーを示す。

「たった今、遂行中の作戦に重要なものだ」

 そのチョーカーを受け取りながら説明する。

「待って!」

 トランプ形のチャームをポケットに入れようとした彼を制止した。