飛行機に乗り込み、ソフィアに行き先を告げる。

「……へ、パース?」

「そうよ」

 ルーシーたちの組織の拠点はオーストラリアのパースだ。

 西オーストラリア州の州都でオーストラリア第四の都市である。

 スワン川沿いに位置する都市である。「世界で一番美しい都市」とも言われる事があるほどだ。

「……」

 ダーウィンから遠いといえば遠いが、同じ大陸にポカンとした。

「そこも考慮して彼は私に頼んだと思うのよ」

「そ……そう言ってくれればいいのに」

 ソフィアは頭を抱えて悶えた。

「彼はきっといまあなたのその表情を想像して笑ってるでしょうね」

 クスクスと笑う彼女から視線を外し頬をふくらませた。

「……性格悪い」

「悪魔だもの」

 ぴしゃりと言ってのけた。