それから3日後──ベリルの家の前に赤いニュービートルが駐まる。

 その車から出てきたのは、肩までの艶やかな黒髪とくびれたボディラインい漆黒の瞳……リリパット『イーグルキャット』のリーダー、ルーシーだ。

「ハァイ」

 玄関前で待っていた2人に、軽く手を挙げて挨拶した。

「久しぶりね」

「はい。ヨロシクお願いします」

 深くお辞儀をした。

「じゃあ責任持って預かるわね」

「頼む」

 発した彼を無言で見上げ、ルーシーに促されてニュービートルに向かう。

「……っ」

 振り向かないようにしていたが、我慢出来ずにベリルに駆け寄り飛びついた。

「!」

「……っありがとう」

 震える声で首にしがみつき、涙を浮かべる彼女の背中を2度優しく叩いた。