朝食を済ませて荷物をまとめていく。

「持てないものは後で送る」

「!」

 部屋の外から、声をかけられて小さく笑った。数ヶ月しかいなかったのに、あたしの荷物は増えていた。

「何かあればいつでも連絡すると良い」

「! いいの……?」

 目を丸くした彼女に、彼も同じように切れ長の瞳を丸くした。

「当然だろう。今生の別れでもあるまいし」

「! そか」

 彼の傍にはいないけど、いつでも会えるんだ。

「ね、一人前になったら、あたしにも要請してくれる?」

「必要ならね」

 その言葉に満面の笑みを浮かべた。