あなたを愛したいくつかの理由

「私は罪人だよ」

 己のしている事に正義など無い。所詮は殺人者だ。

「お前に人の命を奪う重みを知れとは言わない。そうならない事を願う」

「それでも……っ。それでも、あなたに感謝している人たちは沢山いるよ」

 あたしだって感謝してる。あなたに出会えて良かったと思う。例え失恋に終っても……報われない恋をしたとは思ってない。

 あたしは、こんなにも色んな事をあなたから教わったのだもの。

「!」

 彼女の目から涙がこぼれて、少し驚いた表情を浮かべた。

「ごめ……なさい」

 涙が止まらない。もうすぐ彼とお別れと思うと、勝手に涙がこぼれていった。

「!?」

 抱きしめられて目の前が一瞬、真っ白になる。

 しかしすぐ我に返り、その背中に腕を回した。

 そして、あごを優しく持ち上げられ、その唇にキスを与えられた。

 暖かく、深く……思考が痺れるほどの口づけを──