あなたを愛したいくつかの理由

 この2ヶ月の間、少しでも彼に近づくために必死になった。

 彼とあたしとでは決して埋められない才能の差があるコトが色々と学んでいて解る。それをほぞりとつぶやいた時、彼は目を細めてささやくように発した。

「才能とはそれを伸ばすきっかけに過ぎない。それを活かすのは本人の努力に他ならない。誰もが、良くも悪しくも何かしらの才能を眠らせているのだ」

「良くも悪しくも……?」

 聞き返した彼女に視線を合わせ、愁いを帯びた瞳を宙に移した。

「私のような人間はいるべきではない」

 いつか、私のような人間が必要としなくなる時が来る事を願っている。

「でも、それだとベリルは失業しちゃうよ」

「他の職を探せば良いだけだ」

 肩をすくめて発した。

「ベリルは……自分を良いと思ってないの?」

「……」

 少し、悲しげに見上げる彼女の目に困ったような笑みを見せた。